新学期も始まり、いろいろな情報を得るようになって、実感できるレベルとして新指導要領の輪郭が見えてきた。一様に言われているのが、「難しくなった」とのこと。
表面的なレベルでは、時間数が増えたため、始業の時間や帰りの時間が早まったり遅くなったりするかたちで現れている。
学校の指導方針に関する説明も、100ます計算を宿題にすることになったり、辞書引き学習を始めたり、「陰山メソード」が大幅に取り入れられた感がある。指導要領の改訂と無縁ではないと思う。
下に記した変更点の概要を見てみると、そんな中でも今まで学校が努力して取り組んでこられたことがうかがえる。
あなたはどの指導要領? http://www.h4.dion.ne.jp/~kyouiku/nenrei.htm というページを見つけ、確認してみた。
私も妻も「現代化カリキュラム」の世代。上のページによれば「戦後最高レベルの指導要領」とのこと。自分たちが習ったことを「当たり前」と思って子どもたちに接すると、ギャップにおどろくこともあるのかも知れない。
また、同じ表によれば私たちのすぐ下の世代から「ゆとりカリキュラム」世代なので、同級生の保護者たちでも比較的若い方々はこのカリキュラムなのだろう。
ヒューマンラボの番組では2週続けて指導要領改訂の概要に関して触れられていた。特に算数に関する改訂は大幅なもののようで、番組1回分をまるまる使って解説されていた。備忘録ととしてメモしておこうと思う。
全体的にサマリーすると、
以前の指導要領で書かれていた内容では上の学年で教えていたことが下の学年に降りてきているため、全体的に難しくなっている。
このことは、スパイラル学習という形で、次年次の学習内容のさわりを予習的に教えるようになること、「簡単な」内容の学習が下の学年で教え始めることの現れだそうだ。
また、分数に関する学習に重点を置かれていることを感じた。早期に学習を始めるようにしたり、指導要領から外れていた内容が復活したりしている。
以下、番組の要点。
[]でくくった内容は、今の指導要領で登場する学年
【1年生】
教わる数の大きさが、3桁まで扱うようになった。
今まで2年生がやっていた2桁の足し算、引き算も、簡単なものは1年生で教わるようになった。
【2年生】
2年生のカギは昔も今も九九であることに変わりはないが、新しい内容としては2桁の掛け算の簡単なものが登場する。
【3年生】
4桁の計算が入ってくる。この準備としては、足し算引き算の筆算をちゃんと習得できるようにすることが望ましいとのこと。
掛け算では今まで2桁までの計算だったものが3桁の計算が登場し、レベルアップ。
割り算については、いままでは除数が1桁までだったものが2桁の除数が登場する。
少数の学習も、過去10年間は扱っていなかったものが登場する[4年生]
分数の足し算、引き算についても一部登場するそうだ。[5年生]
こうやって書き出してみると、3年生は大変になるんだなぁと言う感想だ。
【4年生】
この学年でのカギは見積もり(概数)の登場。これは子どもには理解が難しいのでポイントになる。 [5年生]
少数は1/100の桁までの取り扱いが登場。これに関連して、円周率 3.14 が復活する。
分数の計算では、分母が同じ数同士の計算が復活。[5年生]
3,4年生については筆算での計算がしっかりできるようになっていればよい、とのアドバイス。
【5年生】
5年生の学習内容は、算数だけではなく、全体的に難しくなっているとのこと。まったく新しく登場する世界の国々に関する勉強であったり、学習する漢字が難しい時が増えてくることが根拠らしい。
算数に関して言えば、約分、通分の学習がカギになりそう。これまでの指導要領ではしばらく登場していなかったようだが、異分母同士の計算が登場するので、これをしっかりと習得しておくようにとのこと。指導要領変更の移行措置として、今年は6年生でやってもよいとのガイドが出ているようだが、「5年生でやっておいた方がよい」と陰山先生のアドバイス。
分数は、掛け算割り算が登場[6年生]
【6年生】
分数の計算は下の学年でやる分、楽になる、とのこと。学習内容としては、分数を少数に直す、小数を分数に直すことが入ってくるそうだ。
計算の基本は100ます計算なので、これを2分以内程度でできるようになっていれば大丈夫、との言葉。心強い。
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