現在行われている企画展、「あなたのとなりの寄生虫」を見に行ったときに、「今度のサイエンスカフェでは、イカの解剖をやって中にいる寄生虫を探す実演をする」と聞き、子どもたちの「絶対に見に行きたい!」との希望から参加させてもらった。
講師は生物学者の倉持卓司先生。主に海洋生物に関する寄生、生態などを研究されているとのこと。
一時間ほど「寄生」に関するお話を聞いた後でいったんコーヒーブレイク、そしてイカの解剖、質問コーナーとなった。
また、聴講している人の中には昆虫が専門の川島先生もいらっしゃり、昆虫の世界の寄生もご紹介いただいた。
次のような興味深い話を聞くことができた。
- 寄生という生態は、自然界、特に海洋生物ではごくごく普通に見られる生態であること。
- 通常は宿主と寄生の関係は決まっていて、寄生生物が宿主以外の生き物に入ってしまった場合生きていけないこと。(アニサキス(宿主はクジラなど)を人のおなかに入ってしまい苦しい思いをするのは特別な例なのだそうだ)
- 海洋の生態系では、寄生関係にあっても宿主は致命的ではない。お互いに生きながらえる共生に近い。
- 蛔虫ダイエットはあり得ない。 --- 蛔虫などに人の栄養を搾取されたとしても、人の摂取するカロリーと比較すればたいした割合ではなく、減量に至るほどの効果はない
- 海洋生物と同様に昆虫の世界でも寄生は普通に起きている。対照的なのは、昆虫の世界での寄生は宿主にとって命取りであること。
- 等々
子どもたち待望の「解体ショー」 --- イカの解剖では、スーパーで売っているスルメイカを使用。ニベリンとアニサキスが5~6体出てきた。
こういうものが付いているのは普通のことで、普通に洗って調理すれば人間には影響がないとのこと。知りませんでした。
質問コーナーでは、長男が質問のトップを切った。
- 寄生虫に寄生する虫もいるんですか? => いる。そのような生態をスーパーパラサイトという
- 寄生虫は昆虫なのですか? => その昔、(江戸の頃)海に住んでいるものは皆ウオと呼ばれ、海の底に住んでいるものはカイと呼ばれ、それ以外の小さな海の生き物はムシと呼ばれた。そのときの名残り。
おもしろい話がたくさん聞けました。あっという間にお開きの時間を迎えました。
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