Monday, February 28, 2011

強いチーム

いつも行っている、理科ハウス。最近「みんなのぎもん」という質問コーナーが出来た。
その中で、つぎのような質問が掲げられているのを見て、ちょっと考えてみることにした。

最近、SABR Metrics (セイバーメトリクス) という、野球を評価するための指標について研究が進んでいることを知り、興味を持っていた分野。

質問に対する答えとしては、我ながらちょっと子供だましだなと思うが、それでも質問した子どもやその絵馬を見た子どもたちが野球をいつもとは違う側面から楽しめるようになれば嬉しく思う。

<<質問>>
なぜジャイアンツは強いのか、科学的に教えてください

<<回答>>
野球に限らず、スポーツはどのチームが強いのか、客観的に・・・つまり数字で分かるようになると面白いですね。

野球で、一番簡単に使われる数字は、打率と防御率ではないでしょうか?
打率は、攻撃側に使われる指標。防御率は、守備側(投手)に使われる指標です。

打率はバッターがどれだけヒットを打ちやすいか、防御率はピッチャーがどのくらい点を取られやすいかという指標で、個人の成績とチーム全体の成績があります。

2010年シーズン、セリーグの成績は、次の通りでした。
1位 中 日
2位 阪 神
3位 巨 人
4位 ヤクルト
5位 広 島
6位 横 浜

チーム 打率で、巨人は3位、阪神が1位でした。
打率は、数字が多いほど成績が良いです。
阪  神 0.290
ヤクルト 0.268
巨  人 0.266
広  島 0.263
中  日 0.259
横  浜 0.255

チーム 防御率で、巨人は3位、中日が1位でした。
防御率は、数字が少ないほど成績が良いです。(1試合で取られる点は少ないほうがよいですよね)
中  日 3.29
ヤクルト 3.85
巨  人 3.89
阪  神 4.05
広  島 4.80
横  浜 4.88

これだけを見ると、阪神は打撃がよいチーム、中日はピッチャーがよいチームのようですね。
中日は、打率が低く攻撃力が無いように見えますが、防御率が良いので点を取られないチームだといえそうです。巨人は、打率でも、防御率でも1位になれていません。

しかし、どれだけ打っても得点に結びつかなかったり(残塁の数)、どんなにピッチャーが良くても、守備チームがエラーを重ねてしまうとヒットを打たれていなくても得点されてしまうような場合もあります。打率や防御率は、その数字が他のチームより良ければ必ず勝てるというわけではありませんが、勝敗の参考になる数字です。

野球では、単に打率や防御率だけではなく、どれだけ強いか、を測るための指標がたくさん考えられています。選手が塁にいるときの打率とか、対戦相手ごとの打率とか、盗塁の数とか、エラーの数とかとか・・・・

野球だけでなく、いろいろなスポーツで、どうやったら強いチームが測れるか考えられています。スポーツの種類によって、使う指標は違ってきます。その中でも野球は比較的指標が多く考えられているスポーツだと思います。

単に、試合を眺めているだけではなく、こうした統計指標とともに試合を見ると面白いかもしれませんね。

参考資料:
日本野球機構オフィシャルサイト、 公式戦成績
http://bis.npb.or.jp/2010/stats/
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追記
(質問をしたのは、巨人ファンの小6だと聞きました。)

巨人ファンだと言うことで、巨人の選手に関するデータを探してみました。
2010年、巨人の選手では、ラミレスがホームラン王と打点王の2冠を獲得しました。

でも、そのほかの打撃の成績を見ると、
打率の個人成績トップ10で、巨人の選手は小笠原が10位に入っているだけです。中日の選手は2人、阪神の選手は3人入っています。
チーム成績で見ると、全試合での得点数で、阪神は740点、巨人は711点。中日は539点。
得点をする力、という意味では阪神の方が上手(うわて)です。

ホームランは見栄えがしますが、それだけでは勝てない、と言うことかもしれませんね。

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