夏休み、家族で私の両親のもとを訪ねる。
普通に言えば「帰省」だが、我が家の場合は少し事情が違う。
私の実家は東京都下にあるので、そこを訪ねることを帰省とは言いづらい。今回訪ねたのは長野県野尻湖の畔。この場所は私が子供の頃から夏休みには訪れていた場所で私にとっても懐かしい場所。今回は両親が静養/避暑のためにそこを訪れている。
せっかく訪ねるのだが、長男は私の父が苦手。反抗期と重なっていることも理由の一つではあるが、父の面白半分な悪ふざけは不快なことが一番の理由だと思っている。
最近、野尻を訪れたら必ず父の口から出てくるのが、私が高校の頃の話し。野尻湖から戸隠・奥社まで、友人とともに自転車ツアー。行きはずっと上り坂で行程3時間かかった道のりを帰りはすべて下り坂で、たったの20分で下りてきてしまった、という話を聞かせて喜ばせようとする。
そしてもう一つ話が、同じく戸隠のこと。登山ルートとしては、奥社~戸隠山~キャンプ場 (あるいは逆コースだったかも) 途中、「蟻の塔渡り」「剣の刃渡り」と呼ばれるナイフエッジ (両脇切り立った崖になっている岩場)を通ったり、十間長屋と呼ばれる岩の軒下のような場所を通ったり、とても魅力的なルートだった。そのルートを私と友人と二人で、登山計画があったわけでもなく、何の気なしに登り始め、2-3時間で隣のキャンプ場に下りてきた。父としては予想外だったろうし心配もしただろう。それほど、父の印象に強く残っている出来事を未だに自慢気に話してくれる。
今回の訪問では、その野尻湖 <=> 戸隠奥社ルートを通り、ネパール料理屋で食事を摂り、忍者屋敷に入ってみた。
苦手感を感じながら、それでもぶっきらぼうな態度ながらも長男が同席していたことは、長男の努力を感じた。昨年は長女と一緒に訪ね、今年は妻と長男を連れて野尻を訪れることができ、よかった。
両親とも、年齢なりに体の具合が悪いところが出て来ている。ゆっくりと体を休めてもらいたい。