Friday, January 23, 2015

統計学, 科学教育, ビッグデータ..... サイエンスウインドウ 2015冬号から

サイエンスウインドウ 2015冬号の記事から、
「これからの時代に必要とされる統計学」 
慶應義塾大学大学院 教授 渡辺美智子氏のインタビュー記事。科学教育のあり方、統計学の重要性について触れられている

2002年には国際科学教育教師会議で科学的探究のプロセスが示され、海外の教育では科目に取り入れられてきているとのこと。
科学的探究のプロセス(Harwood&Philipson(2002))
①身の回りの現象を注意深く観察する。
②現象に対する疑問や問題を見つけ、明確にする。
③問題点を具体化する。
④関係する既存の知識を洗い出す。
⑤仮説(主に因果関係の)を明確にする。
⑥仮説検証のための観察・調査・実験等の研究を行う。
⑦結果を解釈する。
⑧結果を研究成果に反映させる。
⑨成果を社会と組織に向けて公表し議論する。

海外で数学や科学の科目に統計学を取り入れた教育カリキュラムに大きく変更されたのは約20年前。そのきっかけはなんと驚くことに、日本の品質管理の水準の高さを、世界がむしろ学んだことからです。不良品が発生する原因を、製造プロセスの中で一つひとつ突き止めて不良品率を下げていくという品質管理の考え方です。

イギリスでもアメリカでもドイツでも、科学をつくり上げていく因果関係の仮説をデータで説明していく過程で、何に注意していかなければならないか、どういうスキルが必要かということを、学年が上がるとともに少しずつ積み上げて学習していっている

この記事を読んで思い出したのが、「理系の子」。アメリカでの高校生科学オリンピックにチャレンジする生徒たちの様子を追いまとめた本。
科学オリンピックにチャレンジする生徒に、科学的探究のプロセスに沿って調べたりまとめたり指導している様子が伺える。20年くらい前からカリキュラムに取り入れてきているというのも頷ける。

「理系の子―高校生科学オリンピックの青春」文藝春秋社
http://www.amazon.co.jp/gp/product/416790215X



統計学は、いま流行りのビッグデータを扱ううえで鍵となる技能。統計学が活かされる事例も多いだろう。

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